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機械選定担当者こそAI活用を!店長に「努力革命」を提言

未来を予測するAIの可能性
機械選定担当者こそAI活用を!店長に「努力革命」を提言

BRAINDIVE株式会社代表取締役
松田修身(Matsuda Osami)
本記事は『Amusement Business Answers』(2025 WINTER Vo.1 No.1)に掲載中です。

─業界のあるコンサルタントの方から、「パチンコ業界に新たな風を吹き込むと言われている革新的な人工知能システムを実用化した方がいる」と聞き、ぜひお話をうかがいたいと思っていました。機械選定業務をサポートするAIシステムとのことですが、詳しくお教えください。

松田代表(以下敬称略) いくつかの設備メーカー様が、すでにホールコンピューターにAIによる稼働予測機能を搭載していますが、当社が開発した『PS.AI』は、遊技機のパフォーマンスを導入前に予測できるもので、業界初のシステムだと思っています。

─おそらく、「導入前に予測できたら」と思っている方は多いはずですが、実用化には大きなハードルがあるのだと思います。まず、松田代表が実用化に挑んだきっかけを教えてください。

松田 開発のきっかけは、遊技業界でよく聞かれる「機械選定の負担」を軽減したいという声でした。機械選定者の多くは、新しい遊技機を導入する際、過去の膨大なデータや経験を頼りに分析を行っています。しかし、それには多くの時間や労力がかかり機械選定者の大きな負担になっています。かくいう私もその昔、某法人でエリア長という立場で日々機械評価に悪戦苦闘する日々でした。

─松田代表が機械選定担当を務めた当時、その法人は、数年間にわたり某業界メディアが算出した「遊技機1台あたりの資産価値金額」(保有する遊技機の中古機市場での流通価格を集計し算出したもの)で1位でした。つまり、機械評価の精度の高さで定評がありました。

松田 はい。しかし、管理するデータはあまりに膨大ですし、分析のための専任の人員も複数人必要です。高い予測精度を維持していたと自負していますが、決して私一人でできたことではないのです。しかし、これからのAI時代は、データの蓄積から頭を捻って理論だてるというプロセスを瞬時に行い80点までの回答を出してくれます。人間である私たちは、AIが出した80点の回答を100点、120点にするという最終プロセスに努力を集中させていく時代がくると確信したことから、「無駄になってしまう努力」という問題を解決するために『PS.AI』を開発したのです。これからの時代は、いかにAIを活用するかによって差がつきます。我々はどの部分に努力を注ぐかという、〈努力革命〉に直面しているのだと思います。

人間(機械選定担当)+AIが高いパフォーマンスを発揮する

─この〈努力革命〉に適応するかしないかで、生産性が大きく変わりますね。

松田 誤解のないよう補足しますが、店長や営業部長といった方の機械評価業務がなくなるわけではありませ。『PS.AI』は機械選定担当者の補佐役にすぎず、これを使いさらに精度を高めるのはあくまでも機械選定のプロである人間です。

─『PS.AI』は具体的には何を予測するのでしょう?

松田 『PS.AI』では、導入初週の稼働、稼働ダウン予測(2週目の稼働下落率)、撤去判定(減台・撤去の時期目安)など10項目と、これらを基にした総合評価の計11項目を予測します。これによって店舗は導入後のリスクを事前に把握し、無駄な投資を避けることができます。また、システムが提供する予測結果は、部長様やエリア長様、店長様が迅速に意思決定できるように、非常にわかりやすくシンプルにデザインされています。特に注目すべきは、導入初週稼働の予測の的中率が86.9%と驚異的に高い点でしょう。これは、2024年1月から発売された80機種をテストした結果です。厳密にいえば、従来にないスペックの遊技機が登場した際などには、どうしても一時的に的中率は低下し変動しますが、2機種目からすぐに適応します。

─おそらく、「何を学習させるか」が重要なのでしょうね。

松田 はい。ひとことで言えば、「市場動向やプレイヤーの反応パターン、過去の導入実績を総合的に分析する必要がある」ということになります。『PS.AI』は蓄積された膨大な遊技機のデータをもとに、AIが機械学習を行っています。たしかに、一般に公開されていない情報も含め常に新しい情報を投入しているので、当社が「学習させている」と言うべきですね。

─具体的にはどんな情報を学習させているのか、差し支えない範囲で教えてください。

松田 中心的な学習項目を簡単に表現すれば、「総量」「時速」「コンテンツ認知率」「販売台数」になりますが、全200項目以上のデータを学習させています。この項目の選定、それぞれの重みづけなどは、私の機械選定担当者としての経験に基づいたものです。あの経験がなければ、これほどの高い精度での予測はできなかったと思います。

─9月から導入テストを開始している法人が10社あるそうですが(本取材は9月末に実施)、これはホールの意思決定を大幅に効率化しそうですね。

松田 正式リリースは12月の予定なのですが、導入前予測がどの程度の精度なのかを実感していただくために、3カ月間の無料お試しプランを用意しました。リリース後には1月から3カ月間の、無料お試しプランの第2弾を実施する予定です。この機会に多くのホール様に試していただきたいと思いますので、ぜひご連絡ください。

─3カ月も無料で試せるというのは非常に魅力的ですね。最後に、今後の展望についても教えてください。

松田 『PS.AI』は、今後もデータを更新し続けることで、80%~90%の的中率を維持していきます。また、パチンコ業界以外にもこの技術を活用できる分野があると考えていますので、将来的には他業界への展開も視野に入れています。

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