FRONT RUNNER INTERVIEW
現役YouTuberが語る繁盛店の姿

2018年10月に「ポンコツのサンドに入金」YouTubeチャンネルを開設。チャンネル登録者数は現在約25万人。投稿動画は700本を超える。チャンネルの総視聴回数は約1億7,000万回。ユーザーからの情報提供や自身のSNS調査で気になったお店にはすぐに実践に行くフットワークの軽さと、実際にファン対応をした際の神対応から人気を博している。
700本以上の実践収録で感じた繁盛店の特徴
地方・都会どちらにおいても、共通する繁盛店の条件は一つだけで、収益性よりもまずお客様満足を最優先にしていることです。言葉を選ばずに言うと、「薄利多売」をユーザーに感じさせること。例えば、僕の知っているあるお店は、設置台数500台規模の店舗で、365日平日休日問わず抽選400人を下回ることがありません。そして、連日ほぼ8割稼働をキープしています。そこはまさにお客様満足を最優先にしていて、店側の利益はごくわずかに抑え、毎日安定した稼働を維持しています。
もちろん言うのは簡単だと思うのですが、ここからさらに大事なのは、その事実をいかにユーザーに知ってもらうかということです。今回は、そこに焦点を当ててお話できればと思っています。
お店の頑張りを判断する基準
ユーザーが、お店の頑張りを判断する基準は完全に「差枚数」です。そして、これも繁盛店の条件だと思うのですが、ユーザーに信頼される店舗は自店でデータをまとめて積極的にSNSなどで発信しています。「本日の差枚数」「稼働率」「出玉推移」などを透明化し、ユーザーとの信頼関係を築いている。これにより、ユーザーが安心して遊技できる環境が整い、自然とリピーターが増加しています。
今の時代は完全にSNS時代なので、それを上手く使いこなしているところが、もちろん稼働率が高いですね。また、設定配分も重要なポイントで、メリハリをつけるのではなく、日々一定の水準で顧客満足を維持できるよう、バランスを取った運用をされているお店もユーザーの満足度は高いと感じます。
SNSなどでの発信が重要
現代ではSNSの活用が店舗経営の生命線だと思います。フォロワーの数に関わらず、ユーザーの興味・関心をかき立てるというか、単純に文章能力が高いというか。今は昔と違って、設置してある台はだいたい同じですし、どの店も変わらないですよね。なんか別に突出したものを作っている訳ではないですし。そんな中で、変わり種というか、他店はやってないSNSの運用の仕方をしている所はもれなくバズっていますね。リアルタイムにユーザーとコミュニケーションを取れる店舗は地域の中でも競争優位を確立しています。他にも、推し機種(オススメ機種)を設定し、そこにリソースを集中することで、「この店なら間違いない」というユーザーからの信頼を獲得できているケースもあります。
たとえば「北斗の拳がオススメ」や「モンキーターンがオススメ」など、明確なコンセプトを持つ店舗は、ターゲット層をブレずに獲得できる傾向にあります。その上、そういった機種に関連した来店企画や演出施策を重ねることで、SNS映えを狙った話題作りにもなります。僕がお店に来店させていただいた際、朝の並びで「今日何打てばいいですかねー?」と視聴者の方に聞いたりしますが、その時に「このお店はこれ打っとけば間違いないよ」という風に言われることがあります。これって、お店の特徴をユーザーが認識している=浸透しているということだと思います。このように、SNSなどでの情報発信と現場体験を連動させる仕掛けが、現代の店舗運営には大事なのでしょうね。
SNS活用による情報収集力の強化
また、人気のあるお店は、発信するだけでなく、自身でもXなどを駆使して常に業界の最新トレンドを把握しています。地方エリアにおいても、都市部の人気施策をスピーディーに取り入れた店舗は、結果として競合優位を築けていますね。こんなこと言うと生意気だと思われるかもしれないですし、少し話は逸れるのですが…。
僕がYouTubeを始めて成果が出るまでの話をします。そもそも自分が楽しかったから続けられたというのもありますが、一番は視聴者を楽しませたいっていう気持ちでした。実際、自身のとった行動といえば、何か面白いパチンコ店があるという口コミを見かけたら、もう次の日には行っちゃうんです。それこそ北海道や沖縄でも、夜に飛行機のチケットを取って向かってしまいます。もちろん撮影許可も必要なので直接電話もして交渉するなど、少々頭がおかしいと思われるようなことを普通にやっていましたね。それくらいやらないとバズるのは無理なんです。あと、それで伸びなかったとしても毎日続けることですね。
正直、僕はこれくらいの覚悟でやらないと、今のパチンコ業界のスピード感についていくことはできないと思っています。特に近年、スマート機の登場、広告宣伝規制の変化、SNS文化の普及など、環境は大きく変わり続けています。単純に設備投資や来店施策だけでは、ユーザーを満足させ続けることはできない時代になってきていると感じます。重要なのは、「ユーザーの意識の変化」を敏感に察知し、それに即応できる柔軟さだというのが、僕の考えです。
コメント