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部下にわかりやすく説明できますか?
参議院選挙のしくみ 2つの投票用紙の記入方法
パチンコ業界の最大組織・全日遊連の理事長である阿部やすひさ氏は自民党と共に、この夏国政に挑戦することとなりました。現在の政治の仕組みには分かりにくい部分もあり、戸惑う方々も少なくありません。分かりやすく説明してみましょう。
私たちが暮らす日本という国は、「法律」によってさまざまなルールが決められ、運営されています。たとえば、税金のしくみ、働くときのルール、教育の制度、社会保障、災害時の対応など、ほとんどすべてが法律によって決まっています。
そして、その法律をつくったり、変えたりするのが「国会議員」です。国会には衆議院と参議院の2つの議院がありますが、そこで議論し、決定する人たちこそが国会議員なのです。そして、その国会議員を選ぶのが「選挙」、つまり「投票」です。
選挙で投票することは、私たち自身が、どんな国にしたいかを選び、未来をつくることなのです。「自分には関係ない」「誰に入れても同じ」とあきらめるのではなく、自分の意思を表す手段として、選挙に参加することが大切です。
本稿では、国会議員の一部を選ぶ「参議院選挙」の仕組みについて、できるだけわかりやすく説明します。
2枚目の投票用紙にも応援する候補者名を書く
参院選でも、衆院選と同様に「選挙区選挙」と「比例代表選挙」の2つの選挙制度が併用されています。ただし、投票の仕方が少し異なります。
参議院議員の定数は248人で、そのうち148人が、原則、都道府県を単位とした「選挙区選挙」で選ばれ、残りの100人が全国を1つのブロック(選挙区)とした「比例代表選挙」で選ばれます。投票所に行くと、2枚の投票用紙が配られます。それぞれ、次のような意味を持っています。
選挙区選挙(1枚目の投票用紙)は、あなたの住んでいる地域(都道府県や特定の選挙区)で出馬している候補者個人に対して投票するものです。投票用紙には、その候補者の名前を手書きで書きます。
比例代表選挙( 2 枚目の投票用紙)では、日本全国を1つの大きな選挙区として、政党や政治団体の名前、もしくはその政党が公認する候補者の個人名を書いて投票するしくみです。この方式の特徴は、「個人名」でも「政党名」でも、どちらでも投票できるという点です。これが、衆議院選挙における比例代表の投票方法との違いです。
比例代表選挙では、基本的には個人名による得票数の多い候補者から順に当選人が決まります。政党が名簿順位をあらかじめ決めず、有権者の投票によって順位を決める「非拘束名簿式」と呼ばれる方式をとっているからです。
「この政党の考え方に共感する」と思えば、その政党名を記入すればいいでしょう。でも、基本的には個人名による得票数の多い候補者から順に当選人が決まるわけですから、「この候補者をぜひ国会に送りたい」と思ったら、2枚目の投票用紙にその候補者の名前を記入することが重要なのです。仮に、推しの候補者がいるのに政党名を書いてしまった場合、推しの候補者の票にはならないからです。
投票日に用事がある場合期日の前に投票できます
選挙が近づくと、選挙管理委員会から「投票所入場券」が自宅に郵送されます。それを持って、指定された投票所に行きます。通常はこの入場券を持って行けば、本人確認がスムーズに行われます。紛失・未着などで入場券が手元になくても、本人であることが確認できれば投票可能ですから、ご安心を。
当日、投票所で2枚の投票用紙を受け取ります。1枚目には、選挙区の候補者の名前を記入。2枚目には比例代表の候補者の名前または政党名を記入。
投票日に仕事や予定があって投票所に行けない人のために、投票日より前に投票できる「期日前投票」という制度があります。投票所入場券が届いたら、裏面の「期日前投票宣誓書」に記入し、本人確認書類(運転免許証など)と一緒に持参すれば、よりスムーズに投票できますし、前述のとおり入場券が無くても投票できます。
投票場所は各自治体の役所や特設会場などで、朝から夜まで(例:8時半~20時)開いていることが多く、自分の予定に合わせて投票しやすいのが魅力です。旅行や仕事、子育てや体調不良など、理由は問われません。「忙しいから行けない」とあきらめず、あなたの1票を未来に生かす手段として、期日前投票もぜひ活用してください。
族議員、業界代表議員とは?
多様な産業や職種が存在する社会では、現場の課題や声を国政に反映させることが重要です。「業界団体」「労働組合」「業種別組織」などから支援を受けて立候補する議員は、そうした特定分野の実情をよく理解し、政策に活かす役割を担います。そのような国会議員は「族議員」「業界代表議員」などと呼ばれます。国会に多様な背景を持つ議員がいることで、利害の調整や現実に即した法整備が可能となり、結果として国全体の健全な発展に寄与するのです。
コロナ禍において、日本政策金融公庫(略称/金融公庫)や商工組合中央金庫(略称/商工中金)は業況が悪化した中小企業に対して特別な融資を開始しましたが、当初はパチンコ店を対象外としていました。また、信用保証協会も、パチンコ店を信用保証の対象から除外していました。業界団体や自民党遊技産業議員連盟が関係省庁に見直しを強く求めた結果、パチンコ業界もこれら支援の対象と認められることになりました。
しかし、業界への誤解や偏見による、このような不利益はさまざまなところに残っています。2024年に発生した能登半島地震および奥能登豪雨の被害を受けた石川県内事業者を対象とする「なりわい再生支援補助金」も、パチンコ店は除外されています。こういった状況を変えるために、業界の声を政治の場に届けるために、パチンコ業界出身の国会議員を擁立しようという機運が高まっているのです。
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