再来店意向を高める社会貢献
来店客から高い支持を得る“遊技で環境保護に参加”
店舗の前に設置されたサイネージ上で数字が踊っている。ぴたりと止まったときに表示されるのは、ほぼリアルタイムの「本日の総回転数」。その上の大きな数字が、総回転数に連動した「本日の植林本数」。その上には「今月の植林本数」「昨日の植林本数」。
大阪市のパチンコホール『Q-Bang!4th 東梅田店』は、来店客が遊ぶごとに増えていく店舗全体の回転数に連動して植林実施団体に寄付をおこなっており、それによって植えられる木の本数をリアルタイムに換算、表示している。サイネージは店舗内外に3台設置されている。
サイネージ上部に表示されるのは地球温暖化がもたらした砂漠化や海氷の融解の映像。そしてその対策としての森林保護活動。
来店客の約6割が「再来店したい」と回答
「デジタルサイネージを設置したのは2022年4月頃ですので、いまではほとんどのお客様がご存じですが、初めて来店された方はほぼ例外なく立ち止まって眺めています。リアルタイムに植林本数が更新されていくので、社会貢献につながっていることが実感しやすいようです。常連のお客様にとっては、『同じ遊ぶなら微力ではあるけれど環境保護に貢献できる』ということも、当店を選ぶ理由になっていると思います」(村松諒亮店長)
『Q-Bang!4th 東梅田店』では、認知を高めるために賞品交換時に、「あそんでまもろう、地球環境」と記されたお礼のカードを手渡している。また、回転数から換算される植林本数が倍増する「植林2倍デー」や「植林3倍デー」を定期的に開催し、植林活動への参加意識を高めている。
この社会貢献スキーム『植林ぱちんこ』を運営する株式会社地球のためにが導入店で実施したアンケート調査によると、サービスの好感度は84.4%と非常に高く、来店客の約7割が「持続的な社会や未来の発展に貢献している」と感じている。その結果、約6割が再来店したいと回答した。
累計1万6158本の植林実績
『植林ぱちんこ』とは、参加ホールの遊技機の抽選回数に応じて、運営会社・地球のためにを経由して「公益財団法人オイスカ」に寄付をおこなう仕組み。もちろん同じ1回転でも遊技料金ごとに寄付額は異なる。寄付金は全額控除の対象になる。オイスカは1961年より農村開発、人材育成、環境保全活動をおこなっており、「植林ぱちんこ」を通して実施した植林はフィリピン、タイ、ウズベキスタン、フィジーで、累計1万6158本の実績(2024年12月時点)がある。
導入にあたってはホール事務所内に専用PCを1台設置して、遊技機の抽選回数のデータのみを抽出し、これを植林本数に換算し店内サイネージに配信する。
地球のためにの内藤勝好代表は、今後についてこう語る。
「Z世代の若者はエシカル消費の意識が非常に高いので、『植林ぱちんこ』が広がれば、彼らのパチンコ参加のきっかけにもなると思います。また、今後は、スマホの位置情報を利用して、お客様個々への来店ポイントサービスを開始する計画です。貯まったポイントを、植林に寄付するかギフトに交換できるか選べるようにしたいと考えています」
現在『植林ぱちんこ』に参加しているのは6店舗だが、この取り組みが業界に広がることを期待したい。参加店舗を訪問して様子を見てはどうだろうか。
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