2025年3月22日・23日に東京ビッグサイトで開催された世界最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2025」に日工組の「KIBUN PACHI-PACHI 委員会」がブースを出展した。同委員会は「普段パチンコ・パチスロに接点がない層への新規ファン開拓と休眠ユーザーの掘り起こし」を目的として、「PLAY LAND KIBUN PACHI-PACHI」という名称で、来場者が無料でパチンコとパチスロを体験できる企画を実施。体験後はカウンターでの景品交換も行い、パチンコホールの空間を再現した。
ブースで試打体験をした一般来場者は、2日間で約2500人に達した。参加者の年齢層は20代が49.7％と半数近くを占め、アニメイベントの特性を反映した若年層の参加が目立った。参加者の遊技経験では「まったく遊技したことがない」が31.8％、「遊技体験はあるが、ここ1年は打っていない」が20.7％と、新規および休眠ユーザーが過半数（52.5%）を占め、当初の狙いが実を結んだ形となった。
試打用の遊技機は48台で、アニメファンに親和性のある機種が選ばれている。今回のイベントで初めてパチンコを打ったという参加者は「好きな漫画のパチンコがあったので。無料だし打ってみた」ときっかけを話してくれた。また、ブースの外壁に遊技機が25台飾られ、視覚的なインパクトも創出。そうしたブースのきらびやかな装飾にひかれ「どの遊技機でもいいから遊んでみたい」と純粋な興味から参加した来場者も見られた。
23日には「AnimeJapan 2025」内で「Re:ゼロから始める異世界生活」のTVアニメシリーズのライブステージも実施されていた。アニメ作品と連動したパチンコ・パチスロ機を含む多様な機種を試打できる機会を提供することで、アニメとの相乗効果を最大限に活用した。
50分待ちでも体験！インバウンドブース
外国人来場客向けのインバウンド専用の試打コーナーでは、3台のパチンコ機が設置され、英語、中国語に対応できるサポートスタッフを配置し、マンツーマンで説明しながらパチンコを体験してもらった。2日とも順番を待つ人の列が常時できていて、待ち時間は平均すると40分から50分。2024年11月に主催した「みんなのパチンコフェス2024」（秋葉原）でのインバウンドコーナーに引き続き、今回も大盛況となった。
パチンコを初めて体験した韓国人来場者は、「遊んでいる最中にゲームがどういう状況にあるのかはよく理解できなかったが、筐体の造作が非常に手が込んでいるし、映像の演出も刺激的。こんなゲーム機はいままで見たことがない」と興奮気味に感想を語ってくれた。
順番待ちをしているアメリカ人親子に話を聞くと、「子どもが大のゲーム好きなので日本旅行中に『AnimeJapan 2025』に来た。自分はラスベガスにちょくちょく行くくらいギャンブルが好きだし、あらゆるギャンブルを1度は試したい。このブースを見つけてパチンコを体験する絶好の機会だと思った」とのこと。
また、ハンガリーからハネムーンで日本旅行に来たカップルもパチンコに興味津々で順番待ちをしていた。「京都、奈良、大阪を観光して東京にきたところ。SNSで日本の観光情報を調べてパチンコのことは知っていたが、ギャンブルは好きではないので（街では）やらなかった。でもこのイベントでリスクなしにパチンコを体験できると知って並ぶことにした」とのことだ。
ブースの企画・運営に参加したGlobal Pavhinkoの長北真代表は、「試打された外国人の方に話を聞くと、特定のアニメコンテンツに対する興味というより、パチンコそのものに対する興味が勝っていたというお声が多かった。これは、適切なマーケティングと設備、人員を投入すれば、パチンコは充分訪日客の興味を引くコンテンツたりえるという証明だろうと考えています」と言う。
アニメの枠を超えて
インバウンドコーナーの盛況については、「PLAY LAND KIBUN PACHI-PACHI」でも「みんなのパチンコフェス2024」でも、アニメコンテンツとの親和性が高い層に対するアプローチが成功したに過ぎない面もある。この点について長北氏は、「アニメやゲームコンテンツに関連したものを目的とした訪日は、訪日理由全体の5%程度でしかない。その点を考慮すると、アニメなどのコンテンツに頼らず、パチンコ・パチスロそのものの楽しさ、文化的価値を共有していくための別角度からのアプローチも不可欠でしょう」と今後の課題を挙げた。
この課題は訪日外国人だけでなく、国内の新規ファン獲得においても同様に重要だ。アニメというコンテンツとの相乗効果を活かしながらも、パチンコ・パチスロそのものが持つ楽しさを感じてもらうことが必要となるだろう。
コメント