電気代削減のための遮熱・断熱コート
ホールの電気代削減はどこに取り組むべきなのか?
振り返れば、電気料金の高騰は複数の要因によって起こった。石炭や液化天然ガス(LNG)などの輸入価格高騰の影響で、燃料費調整額が値上げされたこと。再生可能エネルギー発電促進賦課金が毎年値上がり傾向にあること。これに加え、新型コロナ禍を脱し経済活動が活発化したことで、エネルギー資源の需要が増加した。そこにロシアによるウクライナへの侵攻という国際情勢が重なった。これらは解消する目途はなく、電気料金は2016年の電力自由化以降もっとも高い水準で高止まりしたまま。この費用負担を軽減するには、電力の使用量じたいを下げるほか方法はない状況だ。
有効なアプローチは 空調効率を高めること!
では、パチンコホールの場合、電力の多くはどこに使われているのか。図の通りで、電力のおよそ半分が空調に使われている。そして20%が照明、20%が遊技機、7%が島設備に消費されている。つまり、空調機器を効率よく利用することが、もっとも大きな電力削減効果を期待できるのだ。その代表的な方法は、消費電力が低い空調設備に交換することだが、これは非常にコストがかかるし、近年オープンしたホールの空調設備はすでに省電力タイプのものだ。それ以外の場所で、電力削減効果を期待できる部分を探す必要がある。
そもそも建物の壁には、「夏季には外部からの熱を遮断し、室内の冷房効果を高めることでエアコンの稼働時間を短縮する」「冬季には室内の熱を逃がさないことで暖房効果を保持し、暖房の稼働時間を短縮する」という役目がある。しかし、店舗のガラス壁、ガラス窓、室外機などは、〈遮熱〉の対策が手薄だ。ここに遮熱・断熱コートを施すことで、電力使用量の削減効果が期待できる。遮熱・断熱コート『トライブコート』の場合、夏は暑さの光熱である近赤外線を遮蔽し窓から入る直射熱の8度から15度を遮ることができ、冬は室内から暖房熱エネルギーの流出を抑制し2度から3度上がる。また、結露防止の効果もある。
遮熱・断熱コートは夏も冬も有効
『トライブコート』の大きな特徴は、高い電力削減効果がある点で、試験ブースを用いて行った室内温度測定実験では、〈コーティング無し〉と比較して、最大で3.6度低下。年間の空調費削減率は28%という計算になった。また、遮熱フィルムは一般的に5年から7年で剥がれや気泡が発生するが、『トライブコート』の耐久年数は15年と長いこと。他社の遮熱コートと比較すると単位面積当たりの費用が約20%安いこともあり、早期に償却できる。すでにパチンコホールなどの商業施設やオフィスビル、教育機関、医療施設などでの施工実績が多数ある。
『トライブコート』の施工が有効なのはガラス窓だけでない。室外機をコーティングすれば、室外機の効率を向上させることで、エアコンの稼働コストを削減できるし、室外機の耐用年数向上も期待できる。室外機が屋上に設置されている場合、屋上の床面をコーティングすることで、室外機に反射する暑さを抑え、やはり室外機の効率を向上させる。ある大型パチンコホールでは、2023年7月にガラス施工と室外機施工を合わせて604.2平米を施工した。合計施工費用は約1200万円だったが、月間の電気代削減額は50万円から80万円(季節による)のため、1年6カ月から2年で償却する見込みだ。
前年比で大きな削減効果を実感
実は、ジーズさんから遮熱コートを提案された時点で、内心では施工すると決めていたんです。それというのも私は以前、仕事とは別の機会で、ある大手メーカーが工場の屋根に施工した遮熱コート剤の断熱効果データを見たことがあったのです。でも、そのことをすっかり忘れていたんです(笑)。
『キング観光名古屋柳橋店』の室外機は、周囲のビルへの配慮を重視して決められた結果、直射日光が当たる場所にズラリと配置されています。現地調査の結果、この室外機本体と設置個所を『トライブコート』でコーティングすることで冷房効率が高まるというシミュレーションを提示していただきました。施工は今年のGWだったので、この夏の電気使用量は前年比で大きな削減効果が得られています。
グループ店でも施工する考えなので、どの店舗のどの箇所に『トライブコート』を施工すれば電力使用量の削減効果が高いか、ジーズさんの現地調査の報告を待っているとことです。
キング観光 権田淳 副社長
「キング観光」のブランドで愛知県、三重県を中心に25店舗を展開するキング観光(三重県)は2024年5月、旗艦店である『キング観光名古屋柳橋店』に『トライブコート』を施工した。暑さがピークになる夏前に施工したことで早くも大きな効果を得ている。この実績を確認したことで、順次、グループ店での施工を検討しているという。
文=本橋 優(ジーズ代表取締役)
多くのパチンコホールで実績を重ねてきた遮熱塗料「ECOアテイン」が「トライブコート」へと名称を一新し新たなスタートを切りました。また、トライブコートの施工管理を専門に担う(株)トライブギアを新設し、発注から施工、品質管理、アフターサポートまでの一連の流れをよりスムーズに進める体制を整えました。これに加えて(株)トライブギアは、競合にあたる「テラノペイント」を扱う(株)テラノテクノロジー様と強力なパートナーシップを結びました。両社の専門知識と技術力を活かし、ホール企業を中心に施設のエネルギーコストの削減と環境負荷低減を目指します。さらには、(株)ハルエネの高圧電力サービスとの連携を進め電力コストの大幅な削減も可能にしました。
株式会社トライブギア
株式会社テラノテクノロジー
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